砂糖の身体的・精神的依存

 

砂糖の身体的・精神的依存性

2013年9月3日 15:56

糖質の身体的依存性

 

よく、「甘い物は別腹」といいますが、おなかの中に甘い物用の胃袋が別にあるなんてことはありません。甘い物をよく摂る人は、おなかが一杯なのについつい甘いものを摂ってしまうことから、こういわれます。でも、なぜ甘い物はおなかが空いていなくても欲しくなってしまうのでしょうか。

 

肥満の方は、よく「満腹感」を感じないと言います。僕にはあんまりピンときませんが、これはなった人にしか分からないのでしょうね。でも、満腹を感じる仕組みを知ると、そういう事かなと推測はできます。

 

満腹感を感じるのは、人間の脳にある「視床下部」という部分です。ここには摂食行動を司る部分があります。視床下部外側野が刺激されると摂食行動を促進するので、摂食中枢と呼ばれています。また、視床下部腹内側野は逆に、刺激されると摂食行動を抑制するので、満腹中枢と呼ばれています。これら視床下部の外側野と腹内側野は、それぞれどうやって刺激されるのでしょうか。

 

視床下部が刺激されるのは、主に二つの場合があります。

 

一つ目は血糖値です。血糖値は空腹時には70~109mg/dlくらいに低下しますが、このくらいの血糖値になると視床下部外側野が刺激されて空腹感を感じます。逆に血糖値が140~150mg/dlくらいまで上昇すると、視床下部腹内側野が刺激され、満腹感を感じそれ以上の食事を摂ろうとしなくなります。これが、血糖値による食欲のコントロールです。

 

二つ目は胃壁の伸縮です。食べ物が胃に入り、胃壁が伸長されると副交感神経が刺激され、副交感神経は視床下部腹内側野を刺激し、満腹感を感じます。そして胃で食べ物が消化され、腸に送られて胃壁が収縮すると交感神経が刺激され、交感神経は視床下部外側野を刺激し、空腹感を感じます。これが、胃壁の伸縮による食欲のコントロールです。

 

この食欲のコントロールの仕組みが基本になりますから、しっかりと理解してください。次に、低血糖症と食欲の関係についてみていきましょう。

 

まず、糖質過多の食事をすると、急速に血糖値が上昇します。そして上がりすぎた血糖値を下げるために、インスリンが過剰に分泌されるんでしたね。インスリンは血糖値を強力に下げるホルモンですから、低血糖症になりインスリンの過剰分泌が起こるようになると、血糖値が下がりすぎてしまいます。

 

このとき、視床下部外側野は食後にもかかわらず、低血糖状態を感知し、血糖値を上げようと空腹感を脳に感じさせます。このため、胃に食べ物が入っているにもかかわらず、空腹感を感じるのです。この時の空腹感というのは、おなかいっぱい食べたい!というよりは、何か甘い物が欲しい!という欲求として感じます。これは、低下した血糖値をすぐに上げようとする脳の欲求と考えられます。ですので、低血糖症になると、食後であってもいつでも甘い物を欲しがるようになるのです。

 

また、低血糖症になると下がりすぎた血糖値を上げるために各種ホルモン(グルカゴン、アドレナリン、糖質コルチコイド、チロキシン、成長ホルモンなど)が分泌されるんでしたね。この内カテコールアミンの一つであるアドレナリンは、肝臓でのグリコーゲン分解のほかに、交感神経を刺激する作用を持っています。胃壁の伸縮のところでも書いたとおり、交感神経は視床下部外側野を刺激し、空腹感を感じさせます。このため、空腹でないにもかかわらず、空腹感を感じてしまうのです。

 

空腹でないのに空腹を感じ、さらに食べ物を胃に詰め込む。そしての食べ物や飲み物にまた、糖質が過剰に含まれていたら…。そりゃあ、満腹中枢だって壊れちゃいますよね。

 

満腹中枢が壊れ、過食に走れば肥満になります。肥満を気にして無理に摂食行動を抑えようとすれば、拒食症になります。実はこれらはどちらも、糖質の過剰摂取による低血糖症が引き起こしている病態なのですね。

 

この満腹中枢の働きの異常は生理的反応によって起こるので、いわゆる糖質依存における身体的依存のメカニズムといえます。しかし糖質依存は身体的依存のみならず、精神的依存も引き起こします。それでは次に、精神的依存のメカニズムについて説明します。

 

糖質の精神的依存

 

甘いものを摂ると、美味しいと感じるだけでなく、心地良いと感じます。または多幸感というか、幸せいっぱいの気分になる、というとスイーツ大好きな女子には伝わるでしょうか。これゆえにスイーツバイキングなるものが、女子たちのハートをつかんで離さないのでしょう。まあ、最近はスイーツ男子を名乗る人も出てきていますので、いわゆる甘党は女子だけの専売特許ではないのかもしれません。

 

この、甘いものを摂った時に脳が多幸感を感じるメカニズムは、いわゆるドラッグを摂った時に似ています。甘い物を摂ると、大脳辺縁系にある側坐核というところでドーパミンが分泌されます。ドーパミンは快楽を感じる神経伝達物質であり、ドーパミンが放出されると人は快楽を感じます。この、快楽を感じることを司っている脳の部分を、報酬系といいます。

 

側坐核にはドーパミンD2受容体というものがあり、ドーパミンがこのD2受容体と結びつくことで快楽を感じるのですが、頻繁にドーパミンが出続けるとドーパミンD2受容体がオーバードライブして、報酬回路を麻痺させてしまいます。そうなると、今までと同等の刺激では快楽を得られなくなってしまうのです。

 

このようにして甘い物を摂り続けると、ついにはドーパミンD2受容体が減少し、報酬回路がうまく働かなくなります。そうすると、より強い刺激を求めてより多くの糖質を摂るようになるのです。こうなると、一日にペットボトルのコーラを2L飲むとか、極端な糖質依存になったりします。まさに、麻薬中毒者と一緒ですね。

 

このように、糖質には身体的依存と精神的依存があり、精製された糖質、特に砂糖や異性化糖ではこの依存が重篤に起こる危険性があるのです。また、ドーパミンD2受容体は依存性を引き起こす全ての物質に関っていますから、糖質依存になると、他の依存性を持つ物質(たばこやアルコール、ドラッグや向精神薬など)にも依存しやすくなります。これを、相互依存と呼びます。

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