「中毒」を持つことは、こんなに怖い

●「中毒」を持つことは、こんなに怖い

 

実は、マイルドドラッグは砂糖だけではありません。油、塩、化学調味料、炭酸飲料、ジャンクフードなどもマイルドドラッグになり得ます。

 

例えば、昼食に牛丼をよく食べる人は、肉の脂とたれの甘さ、脂と砂糖のコンビネーション中毒に陥っています。カツ丼やハンバーガーもそうです。

 

コーヒーに含まれているカフェインには、交感神経を働かせ、覚醒作用や集中力を高める作用があるのですが、カフェインの摂取量が増えるほど効きが悪くなります。そのため、同じような効果を得ようとすると、カフェインの摂取量がどんどん増えてしまいます。そうなると、コーヒーを飲まないと落ち着かなくなってしまいます。これはもう中毒と同じ症状になってしまっています。

 

コーヒーはリフレッシュして交感神経を高める作用があるのですが、摂取量が増えるほど依存性に陥ってしまうのです。コーヒーの問題点はこの常習性にあります。

 

お弁当や総菜など加工食品に入っている旨み調味料(グルタミン酸)も、常習性を招きます。旨み調味料をたっぷりと使った加工食品は、中毒を招くマイルドドラッグ食といってもいいでしょう。

 

アメリカでは、炭酸飲料に関する興味深い研究があります。バーモント大学のサラ・ソルニック博士とデイヴィッド・ヘメンウェイ博士の研究の研究によると、一週間に5缶以上の甘い炭酸飲料を飲む高校生は、攻撃的・暴力的になるという調査結果が出ています。

 

調査は1878人の高校生(約半数が黒人、約30パーセントがヒスパニック系、白人系とアジア系はそれぞれ約10パーセント)が対象で、このうち、約30パーセントが一週間に5缶以上の甘い炭酸水を飲んでいるという結果が出ました。

 

そして、週に5缶以上飲む高校生は、飲まない高校生に比べて銃器類の所持率が高く、交際相手や家族への暴力行為も多くなっていたそうです。甘い炭酸飲料を飲む量が多いほど暴力を引き起こしやすいという、量的依存相関関係が明白に表れていました。

 

この研究では、甘い炭酸飲料が暴力を招くメカニズムについては明らかでないとしていますが、炭酸飲料に含まれる甘味料やカフェインが関係しているのではないかと指摘しています。

 

暴力性が増したり、攻撃性が高まったりするのは、一種の禁断症状といえるかもしれません。

 

甘い炭酸飲料を一週間に5本飲むというのは、一日1本以下の摂取量です。日本でもその程度であれば、飲んでいる人は結構な割合になるのではないでしょうか。

(「砂糖」をやめれば10歳若返る)

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院長:  今  晋

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