●水はミラクル・エンザイムのよきパートナー
水は人間の体の中でさまざまな働きを担っています。そのなかでもっとも大きな働きは、血液の流れをよくし、新陳代謝を促進するということです。老廃物や毒素を排出し、腸内細菌やエンザイムの活性化を促します。ダイオキシンやさまざまな環境汚染物質、食品添加物や発ガン物質なども、よい水はちゃんと体外に排出してくれます。
そのため、水をあまり飲まない人は、病気にかかりやすくなります。
ごく身近な例でいえば、よい水をたくさん飲んでいると、風邪を引きにくくなります。なぜなら、気管支や胃腸の粘膜など、ばい菌やウイルスが侵入しやすい場所がよい水によって潤っていると、免疫細胞の働きが活性化し、ウイルスにとって侵入しにくい場所になるからです。
それに対し、水分を充分にとっていないと、気管支の粘膜は脱水し乾いてしまいます。気管支では痰や粘膜が出ていますが、水分が不足するとそれが気管支にベタッと張りつき、ばい菌やウイルスの温床になってしまいます。
水は血管の中だけではなく、リンパ管の中でも活躍し、私たちの健康を守ってくれています。人間の体のリンパ管システムは、血管を川にたとえるなら、下水管のようなものです。皮下組織にある過剰水分やタンパク質、老廃物などを浄化、濾過、濃縮した後、血流へ運び込む役目を果たしているからです。その中にはガンマグロブリンという免疫力をもつ抗体やリゾチームという抗菌作用をもつエンザイムも含まれています。こうした免疫システムが充分に機能するには、よい水が絶対に必要なのです。
水は人間の体のすべての部分と関係しています。水のない体は、命を維持することはできません。それは砂漠に植物が育たないのと同じです。植物が生育するのに必要なものは太陽と土と水だといわれていますが、太陽と土だけでは養分を吸い上げることができず、木は枯れてしまいます。水があるから養分を取り込むことができるのです。
人間の細胞も、水分が行き渡らないと栄養不足になるうえ、細胞の中にたまった老廃物や毒素を排出できなくなるのでさまざまなトラブルが生じます。そして最悪の場合は、たまった毒素が細胞の遺伝子を損傷しガン細胞になってしまうのです。
胃腸の流れをよくするとか、血液やリンパ液の流れをよくするというのは、体における水のマクロな働きです。
60兆個ある細胞の一つひとつに入り、栄養を与え、代わりに老廃物を受け取って処理するというのはミクロな働きです。そのミクロの世界で行われているエネルギーの生産やその過程で発生したフリーラジカルの解毒などには、さまざまなエンザイムがかかわっています。
つまり、言い換えれば、水が60兆個の細胞すべてにきちんと行き渡っていないと、エンザイムはその機能を充分に果たすことができないということです。エンザイムがきちんと働くには、ビタミンやミネラルなどさまざまな微量栄養素が必要ですが、そうしたものを運んでくれているのも水なのです。
しかも、人間が一日に排泄する水分量は、汗で蒸発しているものも入れると、約2500ccにもなるといわれています。もちろん食物の中にも水分は含まれていますが、そう考えるとやはり最低でも一日1500ccは「水」を補給することが必要といえるでしょう。
(「病気にならない生き方」)
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