運動・スポーツの実施中、スポーツ外傷が発生した場合、まず現場で行う基本的な応急処置をPRICEと呼んでいる。
これは「Protection(保護)」「Rest(安静)」「Ice(冷却)」「Compression(圧迫)」「Elevation(挙上)」の頭文字を並べた言葉で、この処置をできるだけ速やかに、的確に行うことが、その後の傷害回復度を左右する。
スポーツ外傷では、打撲などのように直接的な外力を受ける場合と、靭帯損傷などのように間接的な外力を受ける場合とがあるが、どちらの場合も炎症反応が起きる。
PRICEはこの炎症が拡大しないように制御することが主目的となる。
したがって、スポーツ外傷が発生したら速やかに試合や練習を一時中断し、副木などで患部を固定保護(P)、安静(R)をとる。必要があれば次に、患部の熱感や腫れを最小限に抑えるために患部を冷却(I)。さらに腫れが出そうな部分には圧迫(C)を行い、受傷した部位を心臓よりも高く挙上(E)し、腫れの悪化を防ぐ。ただし、PRICEはあくまでも応急処置なので、その後はできるだけ早期にスポーツ専門医を受診することが望ましい。
またアイシングは、たとえば野球のピッチャーが降板後に肩や肘を冷やすように、慢性スポーツ障害の予防にも活用されている。
(スポーツコンディショニングの基礎理論)
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